ネット通販の拡大や在宅時間の減少にともない、賃貸物件でも「宅配ボックスがあるかどうか」が入居先を選ぶ判断材料のひとつになっています。すでに入居者がいる賃貸アパートや賃貸マンションでも、後付けで宅配ボックスを導入することは可能です。本記事では、賃貸物件のオーナー・サブリース事業者・管理会社の方に向けて、後付けの方法や費用の考え方、活用できる補助金、導入後の運用ルールづくりまで解説します。
共働き世帯や単身者の増加により、荷物の受け取りに立ち会えない入居者は年々増えています。宅配ボックスがない物件では再配達の手間が発生し、入居者の不満につながるだけでなく、内見時の比較で他物件に見劣りする要因にもなりかねません。逆に、宅配ボックスを後付けすることで、既存入居者の満足度向上や退去抑制、新規入居者の獲得(空室対策)につながる点が、賃貸オーナーから注目されている理由です。
賃貸物件のオーナーにとって、宅配ボックスの後付けは設備投資であると同時に、賃貸経営の観点からもさまざまなメリットがあります。
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| メリット | 内容 |
|---|---|
| 空室対策・入居率アップ | 物件検索サイトの設備条件として比較されやすく、宅配ボックスの有無が内見時の決め手になるケースがある |
| 既存入居者の満足度向上・退去抑制 | 再配達の手間や不在時の荷物受け取りストレスが減ることで、長期入居につながりやすい |
| 周辺相場物件との差別化 | 宅配ボックス未設置の競合物件が多いエリアでは、設備面での強みとしてアピールできる |
| 子育て世帯・共働き世帯の獲得 | 在宅時間が短い世帯ほど宅配ボックスのニーズが高く、ターゲット層の獲得につながる |
| 防犯性・非対面受け取りの実現 | 配達員との対面を減らせるため、防犯面・感染症対策の観点からも安心感を訴求できる |
| 資産価値の維持・向上 | 設備の充実は物件の資産価値にもつながり、将来の売却・運用時の評価にも影響する |
特に空室対策としての効果を重視する場合は、初期費用を抑えられる据え置き型やリース・レンタル型から導入し、入居率の変化を見ながら台数や機能を見直していく方法もおすすめです。
賃貸物件の場合、分譲マンションとは異なり、オーナー単独の判断で導入を決められることが多い一方、初期投資を抑えたいというニーズも強く出やすいのが特徴です。物件の規模や予算に応じて、以下のようなタイプから選ぶのが基本になります。
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| タイプ | 特徴 | 賃貸オーナーから見たポイント |
|---|---|---|
| 据え置き型 | 工事不要で設置しやすい独立設置型 | 初期費用を抑えやすく、小規模アパートでも導入しやすい |
| 壁掛け型 | 壁面を利用する省スペースタイプ | 床面積を圧迫しないため、共用部が狭い物件に向く |
| リース・レンタル型 | 宅配ボックス本体を購入せず、月額料金等で利用するタイプ | 初期費用を大きく抑えられる一方、月額コストが発生する。短期的な費用対効果を見たいオーナー向け |
タイプごとの詳しい特徴やメリット・デメリットは、以下のページでも詳しく解説しています。
宅配ボックスの導入費用は、タイプや台数によって大きく異なります。据え置き型であれば1台5万円前後から、機能性の高いシステム連携型では1台20万円以上になることもあります。詳しい費用相場や製品事例は、以下のページでご確認いただけます。
賃貸経営の観点では、導入費用そのものだけでなく、「空室期間の短縮」「退去抑制による原状回復・募集コストの削減」といった間接的な効果もあわせて考えることが重要です。特に単身者向け・ファミリー向けを問わず、宅配ボックスの有無は物件検索サイトの設備条件として比較されやすいため、周辺相場物件との差別化にもつながります。
賃貸物件の場合、分譲マンションの管理組合のような総会決議を経る必要がなく、オーナーの判断でスピーディーに導入を進められるのが特徴です。一般的な流れは、以下のとおりです。
まずは「再配達の多さ」「入居者からの要望」「空室対策」など、宅配ボックスを導入する目的を整理します。あわせて、必要な台数の目安(本記事内の設置台数の目安を参照)や、設置候補スペースの有無を確認しておきましょう。
設置業者やメーカーに現地調査を依頼し、建物の構造や共用部のスペースに設置できるタイプ(据え置き型・壁掛け型・リース/レンタル型など)を確認します。複数社から見積もりを取り、費用とサービス内容を比較検討します。
子育て支援型共同住宅推進事業など、活用できる補助制度がないか確認します。補助金を利用する場合は、着工前の事前相談・申請が必要になるため、工事日程よりも前のタイミングで確認しておくことが重要です。
共用部で工事を行う場合は、工事期間や動線への影響について、事前に入居者へ案内します。管理会社に管理を委託している場合は、周知文の作成や配布を管理会社に依頼するとスムーズです。
選定した設置業者が工事を行います。据え置き型・壁掛け型は比較的短期間で設置が完了しますが、システム連携型など電気配線を伴うタイプは工期がやや長くなる場合があります。
設置状態や動作確認を行ったうえで、入居者へ利用方法と運用ルールを周知し、運用を開始します。
宅配ボックスは設置して終わりではなく、入居者に安心して使ってもらうためのルールづくりが欠かせません。賃貸物件の場合は、以下のような内容を入居のしおりや重要事項説明、賃貸借契約の付帯資料などに落とし込んでおくと、トラブルを未然に防ぎやすくなります。
暗証番号忘れ・カードキー紛失・満杯・長期放置(私物化)・誤配・盗難といった具体的なトラブル事例と、その対策、滞留荷物への対応日数の目安については、以下のページで詳しく解説しています。
賃貸物件に宅配ボックスを後付けする場合、分譲マンションの管理組合とは異なり、意思決定から工事、運用開始までをオーナー主導で進められる点がメリットです。一方で、以下のような賃貸経営特有の注意点もあります。
まず、設置工事が建物の共用部に及ぶ場合は、事前に入居者へ周知し、工事日程による影響(一時的な動線の変更など)を案内しておくとトラブルを避けられます。また、管理を管理会社に委託している場合は、鍵・カードの管理や滞留荷物対応の運用ルールを管理会社と事前にすり合わせておくことが重要です。原状回復に関しては、宅配ボックスは建物設備の追加にあたるため、退去時の扱いというよりも「入居者募集時の設備アピール」として長期的に活用する視点を持つとよいでしょう。
賃貸物件への宅配ボックスの後付けは、入居者の利便性向上だけでなく、空室対策や物件の競争力強化にもつながる投資です。据え置き型やリース・レンタル型など初期費用を抑えられる選択肢もあるため、物件規模や予算に応じて無理のない導入方法を検討しましょう。子育て支援型共同住宅推進事業のように、賃貸オーナーが直接申請できる補助制度もあるため、あわせて活用を検討することをおすすめします。
本メディアでは、物件規模や設置目的に合わせた宅配ボックス製品・設置事業者もご紹介しています。あわせて参考にしてみてください。
建物の戸数やタイプによって入居者の生活スタイルも異なり、宅配ボックスに求める利便性も異なってきます。宅配ボックスには多種多様な種類・機能があるので、入居者の生活シーンを考えて適切な製品とメーカーを選びましょう。
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