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配達員のオートロック解錠は導入すべき?

目次

置き配の利用が広がるなか、オートロック付きマンションでも、配達員が一時的にエントランスを解錠できる仕組みが注目されています。不在時でも荷物を受け取れるようになれば、入居者の利便性は高まり、再配達の削減にもつながります。

一方で、オートロックは入居者が防犯性を期待して選ぶ設備でもあります。配達員とはいえ、居住者以外が建物内に入れる仕組みに対して、不安を感じる入居者は少なくありません。マンションオーナーは、利便性だけでなく、防犯面の不安をどう抑えるかまで考えて導入を判断する必要があります。

配達員によるオートロック解錠とは

配達員によるオートロック解錠とは、宅配便の配達時に、配達員が専用のシステムや端末を使って、マンションの共用エントランスを一時的に解錠できる仕組みです。

重要なのは、配達員がいつでも自由に建物へ入れる仕組みではないという点です。一般的には、配送会社・配達員・配達情報などと紐づけて認証し、配達時に限って解錠できるように設計されます。

ただし、仕組みの内容はサービスによって異なります。導入を検討する際は、以下の点を事前に確認しておきましょう。

入居者に説明するうえでも、「配達員が開けられる」という表現だけでは不十分です。誰が、いつ、どの範囲まで入れるのかを具体的に示せる状態にしておくことが大切です。

なぜ今、オートロック解錠が注目されているのか

背景にあるのは、宅配便の増加と再配達削減の必要性です。国土交通省は、いわゆる物流の「2024年問題」などに伴うドライバー不足や、再配達率の高止まりによる宅配事業者の負担増加を、ラストマイル配送の課題として整理しています。

特にオートロック付きマンションでは、入居者が不在の場合、配達員が各住戸の玄関前まで荷物を届けられません。戸建て住宅では置き配がしやすくても、集合住宅ではエントランスのオートロックが障壁になりやすいのです。

また、ナスタの発表では、国土交通省が2026年度以降に標準運送約款を改正し、宅配便の置き配を標準サービスに位置づける方針であることにも触れられています。今後、置き配が一般化すれば、マンション側にも不在時に荷物を受け取りやすい環境づくりが求められる可能性があります。

参照元:国土交通省「ラストマイル配送の効率化等に向けた検討会」

入居者の7割が不安を感じている

配達員によるオートロック解錠は、再配達削減の観点では有効に見えます。しかし、入居者の受け止め方は慎重です。

ナスタがオートロック付き集合住宅に住む243人を対象に行った調査では、「配達員が集合住宅のオートロックを解錠できるシステム」について、72.0%が不安を感じると回答しました。

不安を感じる理由としては、「配達員を装った不審者侵入のリスク」が42.9%、「他人が自由に建物内に入ることへのリスク」が38.9%、「建物の共用部への出入り管理が不十分になる」が37.7%とされています。

つまり、入居者は単に「知らない人が来ること」を不安に感じているのではありません。オートロックの役割が弱まり、建物内の出入り管理が曖昧になることを懸念しています。

参照元:株式会社ナスタ「配達員による集合住宅のオートロック解錠、居住者の7割が『不安を感じる』」(調査時期:2025年10月31日~11月1日)

マンションオーナーにとってのメリット

配達員解錠システムのメリットは、入居者が不在でも荷物を受け取りやすくなることです。単身者や共働き世帯が多い物件では、日中に在宅して荷物を受け取ることが難しいケースも多く、受け取りやすさは物件の魅力になります。

再配達が減れば、入居者は配達時間に縛られにくくなります。荷物を受け取るために予定を調整する手間が減るため、日常的な満足度の向上にもつながります。

また、募集時に「置き配対応」「宅配受け取り環境あり」といった情報を打ち出せれば、忙しい入居希望者にとって分かりやすい訴求材料になります。ただし、便利さだけを強調すると、防犯面の不安を軽視している印象を与えるおそれがあります。

導入前に確認すべきリスク

配達員解錠システムは、導入すれば終わりではありません。運用ルールが曖昧なままだと、入居者からの不信感やトラブルにつながる可能性があります。

特に確認したいのは、認証・履歴・責任範囲の3点です。

また、共連れやなりすましのリスクを完全にゼロにすることはできません。導入する場合は、防犯カメラ、照明、掲示物、管理会社との連携など、複数の対策を組み合わせることが重要です。

宅配ボックスという代替策も検討する

配達員を建物内に入れることに不安がある場合、宅配ボックスの増設も有力な選択肢です。

ナスタ調査では、オートロック解錠以外で安心して荷物を受け取れる方法として、「エントランスなどオートロック外の共用部に十分な宅配ボックスを設置」が31.7%、「宅配ボックスを全戸に設置」が30.5%とされています。

これは、入居者が「荷物は受け取りたい」が、「居住者以外に建物内まで入ってほしくない」と感じていることを示しています。マンションオーナーにとって、宅配ボックスは利便性と防犯性のバランスを取りやすい設備といえるでしょう。

ヤマト運輸の調査でも、置き配を利用したことがある人は78.5%にのぼる一方、置き配を利用しない理由として「盗難リスクが心配」が54.4%で最多となっています。荷物の受け取りやすさと盗難不安の両方に対応するには、宅配ボックスの整備が有効です。

参照元:ヤマト運輸株式会社「『置き配』の利用状況・利便性に関するアンケートを実施」(調査時期:2024年10月28日~11月11日)

このサイトでは、設置目的に合わせた宅配ボックスメーカー・設置業者の選び方について解説しているので、参考にしてみてください。

導入判断のチェックポイント

配達員解錠システムを導入すべきかどうかは、物件ごとに判断する必要があります。以下の点を確認してから検討しましょう。

特に、女性の一人暮らしが多い物件や、防犯性を強く打ち出している物件では、配達員解錠システムの導入に慎重な説明が求められます。まずは宅配ボックスの増設や配置改善を検討し、それでも対応しきれない場合に解錠システムを補完策として考えるのが現実的です。

まとめ

配達員によるオートロック解錠は、再配達削減や置き配対応を進めるうえで有効な仕組みです。特に、不在が多い入居者にとっては、荷物を受け取りやすくなるメリットがあります。

しかし、ナスタ調査ではオートロック付き集合住宅の居住者の72.0%が不安を感じると回答しており、防犯面への配慮は欠かせません。

マンションオーナーが目指すべきなのは、単に「配達員が入れるマンション」にすることではありません。入居者が安心して荷物を受け取れるマンションにすることです。

配達員解錠システム、宅配ボックス、防犯カメラ、照明、運用ルール、入居者説明を組み合わせながら、物件に合った受け取り環境を整えていきましょう。

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建物の戸数やタイプによって入居者の生活スタイルも異なり、宅配ボックスに求める利便性も異なってきます。宅配ボックスには多種多様な種類・機能があるので、入居者の生活シーンを考えて適切な製品とメーカーを選びましょう。

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