ネットショッピングの普及や共働き世帯の増加にともない、不在時でも荷物を受け取れる宅配ボックスのニーズが急速に高まっています。マンションに後付けで導入するケースも多く、住民の利便性を高めるだけでなく、物件の資産価値向上にもつながる点が注目されています。本記事では、後付け可能な宅配ボックスの種類や設置時のポイント、費用や支援制度について詳しく解説しています。
マンションに後付けできる主な宅配ボックスの例として、「据え置き型」「壁掛け型」「システム連携型」の3種類をご紹介します。それぞれのタイプの特徴や対象物件例について確認してみましょう。
▼スクロールできます▼
タイプ | 特徴 | 対象物件例 |
---|---|---|
据え置き型 | 工事不要/共用部に設置しやすい | 小規模物件向け (小規模マンション等) |
壁掛け型 | 壁面利用で省スペース/強度あり/ 長期間使用可能 |
中~大規模物件 |
システム連携型 | オートロックやインターホンと連動/ スマホ開閉も可能 |
高級・新築マンション |
※ダイヤル式や置き型は省スペースで設置が容易、デジタル式は配線工事が必要な場合もあります。
マンションに宅配ボックスを後付けする際には、導入のしやすさだけでなく、設置後の使いやすさや入居者の満足度にも目を向ける必要があります。設置戸数やスペース、導入コストなども踏まえ、複数の視点からバランスよく検討を進めていきましょう。管理組合としては、住民の利便性と予算との両立を上手に図ることが大切です。
宅配ボックスは全戸分を設置するのが理想とされますが、予算やスペースに限りがある場合は、全戸数に対し、まずは2~3割の設置を検討してみましょう。2~3割程度の設置でも、入居者の利便性は大きく向上します。
近年の調査によると、実際の宅配ボックスの利用頻度には波があり、常時全戸分が同時に使われるケースは、むしろまれ。少数の設置でも不在時の再配達を防ぐ効果は高く、住民の満足度向上にも大きく貢献します。
一般に宅配ボックスは、共用部やエントランス周辺に設置される形となりますが、物件の構造やスペースの制約によっては、必ずしもそのような場所が適しているとは限りません。もし何らかの事情で一般的な場所への設置が難しいならば、スペースの制約に対して柔軟に対応できる「据え置き型」や「壁掛け型」などの対応を検討してみましょう。
なお、屋外に宅配ボックスを設置する場合には、雨風に強い防水仕様や防犯性の高い製品を選ぶ必要があります。
宅配ボックスの導入費用は、設置方式や機能性により大きく異なります。シンプルな置き型タイプであれば、1台あたり5万円前後が相場。アンカーで床固定するタイプでは、防犯性や耐久性が高まる分、1台5~10万円程度とやや高くなります。また、オートロックやインターホン、スマートフォンとの連携が可能な高機能モデルは、1台あたり20万円以上になることもあります。物件規模と予算のバランスを考慮し、設置タイプを検討しましょう。
宅配ボックスの設置にあたっては、国や自治体の支援制度を活用できる場合があります。
たとえば、国の「子育てエコホーム支援事業」では、一定の条件を満たせば共用ボックス1台につき補助が出るケースがあります。あるいは、東京都の一部自治体や埼玉県戸田市などでも、設置費用の一部を助成する制度があります。
なお、制度の内容や対象は地域によって異なるため、導入時には必ず最新の情報を確認するようにしましょう。
宅配ボックスは、今やマンションにおける重要な生活インフラのひとつです。特に共働き世帯や単身者の多い物件では、不在時の荷物受け取りニーズが高いため、設置によって満足度向上は大きく上がります。後付けであっても、物件に合わせた設置タイプを選べば十分対応可能なので、ぜひ前向きに設置を検討してみてください。
設置により利便性が高まるだけでなく、建物の資産価値や入居率アップにもつながる可能性も高いです。管理組合として積極的に導入を検討する価値は十分にあります。
建物の戸数やタイプによって入居者の生活スタイルも異なり、宅配ボックスに求める利便性も異なってきます。宅配ボックスには多種多様な種類・機能があるので、入居者の生活シーンを考えて適切な製品とメーカーを選びましょう。
ファミリー向け
のマンション
単身者向け
のマンション
高所得者向け
のマンション